オオムラサキ(成虫・蛹・幼虫・卵) オオムラサキハウス
・オオムラサキの生態を調べる。
・ハウスの中で成虫・蛹・幼虫・卵を観察する
・オオムラサキが飛び交ったり交尾・産卵したりする様子が分かる。
奈良県橿原市昆虫館で,オオムラサキの観察会(6/25)が開催されました。講師は,オオムラサキ研究家の林太郎氏です。場所は,昆虫館裏手にあるバタフライガーデンの一角に建てられたオオムラサキハウス。林氏は,急逝された師匠である秋山昭士の意志と研究の蓄積を受け継がれ,1200頭ものオオムラサキを羽化させることに成功されました。ハウス内には,数多くの羽化前の蛹が,ステープラーでとめられていました。さらに,終齢幼虫や産み付けられた卵も見ることができます。この施設は,林氏と昆虫館友の会のメンバーの皆さんが,丹精込めて作り上げられたものです。成虫がハウスの中で飛び交う様は,ここでしか見られない見事な光景です。見学者は,オオムラサキの数に圧倒されながらも,青紫色に輝くオスの羽の美しさに見入っていました。 オオムラサキは,1957年に国蝶に選定されました。理由は,日本全国に生息していることと,気品のある美しさだけでなく人を怖がらない風格があることでしょうか。都市化が進み里山が減少する中,オオムラサキはその数を減らしてきました。そのため,天然記念物だと勘違いされることがあるようです。そんな実状を憂い,秋山氏は35年以上にわたって人工繁殖に取り組まれ,ノウハウを確立されました。 人工大量繁殖をするため,ビニールハウスのビニールを防虫網に変更して風通しを良くするとともに,ハチなどの天敵の侵入を防いでいます。ハウスの中には,幼虫の食草であるエノキを植栽してあります。初期には個体数が少なく産卵させることが難しかったので,ハンドペアリングにも取り組まれました。もう一つの課題が成虫のエサです。自然の中でのエサは,クヌギなどの樹液です。それを確保することは難しいので,薄めたカルピスと熟したバナナで作った人工ネクターを開発されました。このエサで,1ヶ月以上も飼育できます。さらに,産卵させて累代飼育が可能になりました。そのエサは,弟子である林氏によって,さらに改良されています。 幼虫にはツノが生えているので,子どもはおっかなびっくり。でも,林氏が「顔を見てごらん。ポケモンに似てかわいいでしょ。」とアドバイスされると,一気に笑顔になりました。観察会の最後に「オオムラサキを飛び回らせます!」と案内がありました。何か掛け声か仕掛けがあるのかとワクワクして待っていると。林氏がハウスの柱を揺すられました。その途端,驚いた1000頭以上のオオムラサキが一斉に飛び立ち,ハウスいっぱいに飛び交いました。思わず声が出てしまうほどの素晴らしいラストイベントでした。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) チョウのりん粉を写し取ってみよう
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生物 | 動物 生態 | 感受性 | 823 | 夏
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難しい
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少ない
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